山形県の有機エレクトロニクス事業化推進センター、蛍光灯やLEDより優位性を発揮できる有機EL照明の用途開発に着手。植物工場への応用も検討

山形県内の有機エレクトロニクス関連企業の商品化開発支援のため10年7月に米沢市に開設された「産官学連携有機エレクトロニクス事業化推進センター」は、山形大工学部の城戸淳二卓越研究教授が所長を務めた「有機エレクトロニクス研究所」の閉鎖後、引き継ぐ形で開設。前身の研究機関が生んだ研究成果を企業に還元する役割を担い、10、11年度とも2億円超の県予算が充てられた。     しかし、開設前から有機EL照明パネル製作用の大型装置「エルベス」が正常に稼働しなくなっていた。山形大側は引き継ぎの際に「動かし続けないと不具合が生じる」と伝えていたが、県は研究所の7年間の事業を終了。装置に携わってきた研究者ら15人全員が山形大や企業などに戻り、操作できる人が3カ月以上不在になった影響だった。その後、山形大から非常勤職員が入るなどして大型装置を再立ち上げした。     複数の県内企業や山形大によると、装置は一定期間の稼働を経て性能が上がるため、いったん止めると、正常に動くまでに1年ほどかかるという。実際にエルベスが正常に動き始めたのは開設から1年以上たった昨秋ごろだった。その後、県内企業がセンターに依頼して試作品用のパネル提供を受けた。今年度は県内5社がセンターを利用したという。     センターの当摩照夫エグゼクティブゼネラルマネジャーは「引き継ぎを受けなかったので再立ち上げに苦労した。装置維持に年1億円もかかるなど、いろいろ非効率な面があるが、来年度は一つでも新しい用途開発をものにしたい」と話す。県は昨秋、センターに、蛍光灯やLED(発光ダイオード)などより優位性を発揮できる有機EL照明の使い道を発掘するように依頼。県内7社のグループが検査用光源の商品開発にセンターと取り組む。また来年度には、植物工場やスタジオ照明などに有機EL照明の活用を検討する。     県商工観光部の広瀬渉部長は「センターは3年めどの事業。来年度半ばには、県内企業への成果移転ができているかなどを検証して、今後のことを決める」と話す。一方で、山形大工学部は、県内外企業と有機エレクトロニクスの実用化研究を行う有機エレクトロニクスイノベーションセンターを13年4月に開設する予定。広瀬部長は「イノベーションセンターに、推進センターの装置や人を移して、山形大の実用化研究と融合させるのが基本方針だ」と述べる。県や山形大が、センターの一体化でどう効率的に企業の支援ができるかが課題となる。<参考:毎日新聞より>    ]]>