高知県が軒高4メートルの環境制御型ハイテクハウスを運営・高知の気候に適合した低コスト、高収量システムの開発に取り組む

高知県はオランダ型農業をモデルにしたハウス農業システムの開発に乗り出した。軒が高いハウスを県農業技術センター(南国市)に導入。温湿度や二酸化炭素(CO2)を制御する技術で施設野菜の生産性を高める。オランダ型システムを高知の気候に合うように変え、低コスト・高収益の仕組みを構築した上で農家への普及を目指す
 
 
県は、軒高4メートルのオランダ型ハウスを農技センターに導入。建設済みの2棟に加え、2012年度は約4000万円を投じて4棟を増設する。温度や湿度、CO2の環境制御装置も設ける。第1弾として、今年秋からパプリカの実証栽培を本格的に開始。ハウス内のCO2濃度を外気の2.5倍に高め、光合成を促進させる。
 
 
軒が高いハウスによる栽培は、軒が低い通常のハウスで実施している摘心(新しい枝などの先を早い時期に摘む)栽培に比べ、植物にストレスを掛けず多くの収穫が期待できるという。パプリカは既存ハウスに比べ50%の収量増を目指す。
 
 
県によると台風が多い日本では軒の低いハウスが普及している。オランダの軒が高いハウスは軒高6〜8メートルが一般的だが、台風が多い高知県の気候条件を踏まえ、オランダよりやや低く頑丈な造りにしている。ナスやピーマンなども軒が高いハウスの栽培に適した品種育成に取り組む。CO2や温湿度制御技術を駆使し、30%増の収量を目指す。企業などで普及が進む閉鎖型の「植物工場」に比べ、初期投資を2分の1程度に抑えられるという。
 
 
オランダは野菜や花きなどを生産するハウス農業の世界的な先進国で、米国に次ぐ世界2位の農産物輸出国。CO2濃度など環境条件を人工的に制御する技術を駆使し、生産性の高い農業を実施している。高知県は09年にオランダ・ウェストラント市と友好園芸農業協定を締結。オランダ農業を参考に、ピーマンやナスの害虫駆除に天敵を用いる環境保全型農業に取り組んできた。今後、県は高収益なハウスシステムを構築することで農家の経営の安定と農業の振興を目指していく、という。<参考:日本経済新聞など>
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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