風評被害などで主力トマトが低迷している中、福島県いわき市の「とまとランドいわき」では3億円投じ、イチゴの温室ハウスを新設

農業生産法人のとまとランドいわき(福島県いわき市、鯨岡千春社長)は今後、直売事業を強化する。約3億円をかけて温室を新設し、2012年春からイチゴを出荷。13 年夏にはブルーベリーの観光農園も始める。原発事故の影響で主力のトマトの市場価格が低迷する中、温室を利用した多品目の農産物を直売することで、売り上 げの向上を目指す。
 
 
今後の計画では、売上高に占める直売比率を現在の3割から13年度には5割にまで引き上げる。とまとランドいわきグループの農業生産法人が、福島県いわき市内で、約4000平方メートルの温室でイチゴ栽培に乗り出す。12年3月から「ふくはる香」「とちおとめ」「紅ほっぺ」の3種類のイチゴ を出荷する。インターネット通販や本社併設の直売所などで販売する予定。
東日本大震災の津波被害で宮城県沿岸部でのイチゴ生産が落ち込み、需要が見込めると判断した。
 
 
ブルーベリー農園は2000平方メートル規模の土地にて、人工の土を入れた鉢植えを利用し、養液栽培する。12年から試験的に生産し、13 年から観光農園としてオープン、家族連れなどを集客したい考えだ。トマトの出荷が少なくなる6〜9月に営業する予定で、閑散期の集客につなげる。
 
 
とまとランドいわきは01年10月設立。2.3ヘクタールのガラス温室を活用し、低農薬でビタミンCやリコピンの含有量が通常の2倍近いトマトを年間750トン程度生産している。ジュースやジャムなどの加工品も販売。直売所やネット通販のほか、首都圏の一流ホテルなどに直接卸していた。直売比率は4割だったが、東京電力福島第1原発事故の影響で首都圏向けの直接取引の大半が中止になり、直売は3割に低下した
 
 
震災後は外部専門機関にて、トマトなどの放射性物質の独自検査を始め、2011年8月には出荷基準を国の暫定規制値の10分の1未満にした。これまでの検査ではすべて厳しい独自基準以下だが、12月の東京での市場取引価格は1キロ400円前後と他県産よりも100円安い状態が続く
 
 
今後は検査結果の公表や検査済みシールなどの風評対策とともに、イチゴやブルーベリーで利益率が高い直売所の集客力を高める。本社直売所の売上高は年間8000 万円程度だが、3年以内に1億円に増やしたい考え。11年8月期の売上高は震災で約1億8000万円と前の期から約2割減り、約1000万円の経常赤字だった。<参考:日本経済新聞より>
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー

過去のピックアップ記事

  1. 人工光を利用し、連続光への耐性遺伝子でトマトの収量2割増
     野生種トマトに存在する遺伝子を導入し、栽培種トマトの苗を自然光と人工光の下で1日24時間生育させる…
  2. 露地野菜の価格高騰により植物工場野菜の価格が逆転
     国内では最近の長雨・猛暑により、レタス等の葉物野菜の価格が2~4割も高騰している。今年は4月から5…
  3. ローム 完全人工光型植物工場による一季成りイチゴの生産へ
     ロームは2014年9月、福岡県筑後市の子会社の半導体工場内で、LED光源を利用した完全人工光型植物…
  4. ユーヴィックス、自動追尾型の太陽光集光システムを販売。閉鎖型植物工場への応用も期待
     ユーヴィックスは、太陽の光を自動追尾装置で取り込み、ミラーの組み合わせで陽のあたらない建物内の奥空…
  5. 米国の水耕小売企業が垂直型植物工場にて巨大なバジル栽培に挑戦
     人工光植物工場による垂直栽培装置の製造・販売を行うスーパークローゼット・ハイドロポニクス社では、自…
  6. タイのショッピングモールでの屋上菜園。環境志向型アグリビルディングの実証スタート
     タイのチュラーロンコーン大学が約2000万円を投じて、7階建てのショッピングモール(サイアム・スク…
  7. 水の上に浮かぶオランダのハイテク都市型農業。植物工場と畜産による野菜やミルク加工品などを生産
     オランダのロッテルダムでは都市部での食料生産に関する最新プロジェクトが動き出している。水の上に農場…
  8. ファミマのサンドイッチ・サラダ、植物工場野菜への試験的な変更
     株式会社ファミリーマートでは、国内の植物工場で栽培された野菜を、サンドイッチやサラダなどの中食商品…
  9. 未来の農業コンセプト、ピラミッド型の垂直農場
     都市型農業(アーバンファーム)として、コロンビア大学のDickson Despommier氏などを…
  10. 米国におけるクロマグロの完全養殖 植物工場による環境制御技術の応用可能性も
     野菜の周年栽培を実現する植物工場だが、その環境制御技術は魚の養殖分野にも応用できる可能性がある。米…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 新日鉄住金エンジ、ローソンファーム秋田の植物工場に自社システム建築商品を納入
     新日鉄住金エンジニアリング株式会社の建築・鋼構造事業部のシステム建築商品「スタンパッケージ(R)」…
  2. 生鮮野菜への機能性表示食品が認可、植物工場野菜の市場拡大にも寄与
     消費者庁は8日、初の生鮮食品2製品を含む機能性表示食品4製品の届出情報を公表した。今年4月の制度開…
  3. カナダ・エドモント市による法改正、植物工場や屋上菜園など生産方式の明確化
    農業利用に関する土地活用条例が2016年2月から施行  カナダ・エドモント市議会では都市型農業や地…
  4. 日本マイクロソフトの社員食堂が日本野菜ソムリエ協会認定、植物工場野菜の販売も
     日本マイクロソフト株式会社と、社員食堂「One Microsoft Café」を受託運営しているエ…
ページ上部へ戻る