店舗併設型の植物工場・ITツールを利用した顧客との結びつき/野菜を豊富に使用した商品を全面に打ち出し、健康志向の消費者を取り込む(サブウェイ)

東日本大震災の影響から多くの外食企業が回復途上にあるなかで、サンドイッチチェーンの日本サブウェイは、2011年12月期の全店売上高は145億円前後と、増収率は前期比5割になる見込み。新規出店も90店を超え過去最高を更新した。いずれも11年度では外食業界トップクラスで、出店計画は上方修正を決めた。主因は野菜を豊富に使ったメニューで健康や安心を打ち出した商品戦略にあるとみて、今後、さらに強みを磨く。
 
 
「当初は成り立たないかな、と思ったが、じわじわと客数が増えて、今では計画を5割上回る」。昨年夏、高齢者が多い大阪市の天神橋に出した店は、半ば実験的な意味合いもあった。サンドイッチを高齢者がどれだけ食べてくれるか予想がつかなかったが、最近になってこの年齢層の客が増えているという。「野菜を豊富に食べられることが、健康に関心のある高齢者に支持されたのではないか」。伊藤社長はこう分析する。
 
 
同社は小型の植物工場を設置した店を出すなど、以前から「野菜」を重視した運営方針を掲げ、消費者の認知度も徐々に高まっていた。震災後、健康だけでなく、食の安心・安全への関心が一気に高まるなかで、こうした姿勢が注目された可能性がある。今期の既存店売上高は前年に比べ9%増のペースで、前期並みの増収率を確保。2年前に比べ1店当たりの売上高は25%伸びた
 
 
こうした好調ぶりをうけ、フランチャイズチェーン(FC)店のオーナーの複数出店意欲が高まっている。「ファストフードなど他のFCからのくら替えも増えた」前期の総出店数は過去最高の54店だったが、今期はこれを大幅に上回る92店になりそうだ。今期末の総店舗数も当初目標の300店を23〜25店上回る。すでに114店分のFCの新規契約があり、来期以降も出店ペースは落ちそうにない。収益拡大が店舗網拡大につながる好循環が生まれており、伊藤社長は「15年に600店体制、全店売上高300億円」という新たな目標を打ち出した。
 
 
店舗網拡大は「物流効率改善という効果も生んでいる」(同)。直営店をFC転換しているものの、今期の本部売上高は前期比15%増の30億円を見込む。コスト改善により、売上高営業利益率は7%、総資産利益率(ROA)は18〜20%と「ようやく正常なチェーンになってきた」
 
 
同社は成長の原動力となった「野菜」にさらに磨きをかける方針だ。従来は店でセミナーを開いたり、独自農法による「語れる野菜」の取り扱いを増やしたりしてきたが、今後はパンへのこだわりも訴える。例えばトマトやホウレンソウの粉末を練り込んだ「ブレッドラボオリジナル トマトバジル」や「同 ほうれん草」というパンを都内のモデル店に導入する。実験的にサラダを主食にしパンと一緒に提供するセットメニューの販売も始める考え。健康志向の高まりからサラダを主食にパンを食べる人は増えており、潜在需要は大きいとみる。
 
 
これまで交流サイトやツイッターで植物工場での生育情報などを流してきたが、こうしたIT(情報技術)を顧客情報管理にも活用する。併設して植物工場を稼働させている店舗では、ツイッター等を通じて定期的に収穫したレタスの試食会などを実施している。今後も顧客の要望などを吸い上げる「場」として育てる構想で、野菜で培った店舗ブランドのさらなる向上を目指す考えだ。<参考:日経MJなど>
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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